四日市市諏訪町の諏訪新道で、空き地を活用した出店スペース「スワモバイルマーケット」(運営:四日市諏訪商店街振興組合)を拠点に、小さな商いに挑戦する店主たちの動きが広がっている。
サンドイッチ店やジャマイカ料理店が曜日ごとに営業し、月1回の日曜日にはマーケットイベントも開催。飲食や雑貨、古本など多彩な店が並び、通りに新しい楽しみが生まれている。
月曜だけ開く 食のセレクトショップ

月曜に営業するのが「ござるの台所」。サンドイッチやスープ、ケーキなどを提供する店だ。
いなべ市のドイツパン店で働く河本頼子さん(44)が店主。もともと「朝ごはんの店をやりたい」と思い、2年前に医療事務の仕事を辞めてパンの世界に入った河本さんは、勤務先パン店オーナーの勧めをきっかけに副業として同店をオープンした。
当初は諏訪新道で開催されるイベント「みらい市場」にキッチンカーで出店していたが、「客層や価格帯が合うのでは」と関係者に声をかけられ、スワモバイルマーケットのトレーラーハウス型キッチンで営業することになった。
パン店の仕事やマルシェなどへの出店との兼ね合いで、ここでの定期営業は月曜日のみ。通り掛かった人が「なんのお店だろう?」と覗いていくことが多く、少しずつ常連も増えてきた。

店のコンセプトは「食のセレクトショップ」。
使用する素材は、パン、野菜、ベーコン、はちみつ、小麦粉、調味料に至るまで、河本さん自身が惚れ込んだ生産者の食材のみ。看板メニューは、ドイツ伝統のパン・プレッツェルを使ったハムチーズホットサンド。いなべ産の野菜をたっぷり使った野菜サンドも人気で、「野菜でパンを食べる感覚」だそうだ。
サンドイッチやスープを食べた人が、その素材となる野菜やパンをそのまま購入できるのも特徴。

「『ござるの台所』に行けば安心でおいしいものがある、人とつながれて元気になれる、そんな場所を目指しています」。
夜営業やイベントも構想
今後は夜営業も予定しており、野菜の小皿料理とホットサンドで立ち飲み営業を始める計画。ナチュールワインやジャパニーズウイスキー、ジンなどをそろえ、女性が1人でも気軽に立ち寄れる店を目指す。伊勢茶メニューやアフタヌーンティーイベントなど、新しい取り組みも考えている。
👉ござるの台所
営業:月11時~16時
夫婦で営むジャマイカ料理店

水曜から土曜に出店しているのが、ジャマイカ料理の店「J.J Jerk」。河原竜哉さん(39)と、妻の菜々華さん(25)が夫婦で営業している。
2人がスワモバイルマーケットを知ったのは2月初め。知人の紹介で訪れ、開放的な空間を見て「自分たちの店の雰囲気に合う」と感じ、ここでの営業を決めた。
ウッドデッキにスクリーンを設置して映像を流したり、ダーツボードを置いたりと、店の使い方のイメージが次々に広がった。すでに機材は購入済みで、「3月中には設置したい」と話す。「夏にはビアガーデンを開きたい」と、アイデアは尽きない。

夫婦はカナダでワーキングホリデー中、同じ焼き鳥店で働いたことをきっかけに知り合った。竜哉さんはカナダやオーストラリアで計13年暮らした経験があり、カナダのカリブタウンでジャマイカ料理に出会った。「めちゃくちゃおいしくて、大好きになったんです」。
2年前には夫婦で初めてジャマイカを訪れ、本場の文化や人に触れてさらに魅力を感じたという。

看板メニューはジャークチキン
ジャークチキンは、タイムやオールスパイスなど数十種類のスパイスやハーブで漬け込んだ鶏肉を炭火で焼いた、香ばしさとスモーキーな風味が魅力のジャマイカ伝統料理。
そのチキンを使った「ジャークチキンバーガー」が看板メニュー。スパイシーなチキンを、自家製のブリオッシュバンズではさんだ一品で、ふんわりとしたバンズの甘みとバターの香りがチキンの味わいを引き立てる。
ランチタイムには、レタスや水菜にジャークチキンを乗せた「ラスタサラダボウル」も用意。赤・黄・緑のラスタカラーを意識した彩りに、オリジナルのスパイスナッツと自家製ドレッシングを合わせた、ヘルシーながら食べ応えのある一皿だ。
「スパイスの香り、鮮やかな色、音楽。気軽に『南国のひととき』を味わってもらえたらうれしいです」。
👉J.J Jerk
営業:水~土
◆Lunch
水~土 11時半〜15時
◆Dinner
水・木:17時半〜20時半
金・土:17時半〜22時半
通りが色とりどりのマーケットになる日

諏訪新道では、月1回日曜日にマーケットイベント「みらい市場」が開かれている。会場は、スワモバイルマーケットを含む三菱UFJ銀行四日市支店前から約150メートルの区間。実行委員会によると、みらい市場は昨年2月にスタートした。かつて活気のあった四日市のまちなかをもう一度盛り上げたいという思いから始まった企画だ。
出店者は毎回入れ替わり、県内外から個性的な店や人気店が集まるのが特徴。マフィン店やコーヒー店、インド料理やケバブ、カレーなどの飲食店のほか、古着や北欧雑貨、アクセサリー、アンティーク、アウトドアグッズなどを扱う店がずらりと並ぶ。シルクスクリーン体験など、ワークショップもある。
カルチャー発信の場にも
実行委員会は「小商いをしている店同士がつながり、助け合いながら継続して営業していける場になれば」と話す。また、飲食や物販だけでなく、音楽やアートなどカルチャーの発信にも力を入れていく考えだ。
来場者は市外や県外から訪れる人も多く、地元でも少しずつ認知が広がってきている。

スワモバイルマーケットは、会場の一部として活用されているほか、小規模版の「みらい市場エクストラ」が開かれることもある。古着やアクセサリー、スイーツなどの店が並び、「みらい市場」とはまた違った顔を見せる。

4月と6月には古本市を合わせた拡大版を企画。諏訪新道には公衆電話ボックスを改造した小さな図書室・「USED BOOK BOX」が設置されており、その周辺に古本店が並ぶ企画が予定されている。
◆みらい市場
開催:月1回日曜(諏訪新道 約150m区間)
次回開催:3月22日(日)11時〜16時
その後の開催予定:4月12日(日)11時〜16時
開催情報や各店舗の紹介は👉公式インスタグラムで。
◆みらい市場エクストラ
開催:不定期(スワモバイルマーケット内)
次回開催日:4月19日(日)11時〜16時
小さな楽しみがここから
さまざまな店主の挑戦・小さな出店の積み重ねが人と人をつなぎ、諏訪新道に新しいにぎわいを生み出している。
商店街が出店者を支える取り組みについては、👉YOUよっかいちの記事でも紹介している。
👉スワモバイルマーケット
住所:四日市市諏訪町8-18
問い合わせ:四日市諏訪商店街振興組合 📞059-351-6405


