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ロッテリアがなくなる、ということ――地図でたどる四日市の街とファストフードの記憶

2026年1月時点のロッテリア鈴鹿ハンター店の外観
ロッテリア鈴鹿ハンター店・2026年1月撮影

ハンバーガーを中心とする日本発のファストフードチェーン店として、1972年に創業したロッテリアが、店舗数の縮小とブランド再編を進めている。報道によると、2026年3月末までに全国の店舗が閉店し、順次「ゼッテリア」への転換が行われるという。

三重県内でも、ロッテリアの店舗数は減少しており、現在残っているのは鈴鹿市と伊賀市の2店舗のみ。一方で、ゼッテリアはすでに県内に3店舗が展開されている。

目次

四日市からロッテリアが消えた

ロッテリアと聞くと、真っ先に思い浮かぶのは「リブサンド」だ。思えばもう何年も食べていない。以前は「リブサンド」や「エビバーガー」をよく食べたものだった。100円でセールすることがあった「ロッテシェーキ」にもお世話になった。

今年3月末でロッテリアがなくなるという。 それなら最後に――と、四日市市内のロッテリアとして長く認識していた日永カヨー店に行こうと思った。ところが、調べてみて愕然とした。そこはすでに、昨年の秋にゼッテリアに変わっていたのだ。

ゼッテリア四日市日永カヨー店の店舗入り口
ゼッテリア四日市日永カヨー店の店舗入り口


そういえば、昔は近鉄四日市駅の近くやイオンモール四日市北にもあったはずだが、ロッテリアは、気づけば町の風景から少しずつ消えていた。

ゼッテリア四日市日永カヨー店の店内とホットコーヒー
ホットコーヒーと店内の様子=ゼッテリア四日市日永カヨー店

東海圏におけるロッテリア

取材を進める中で、「東海圏の田舎では、マクドナルドは近くになくても、ロッテリアはあった」、「ファーストフードデビューはロッテリアだった」――そんな声を、複数耳にした。

例えば、市内北部の富洲原在住の40代男性は、「今はマックスバリュになっているところにサンリバーというジャスコがあったんですが、そこにロッテリアがあり、よく行きました。当時、マクドナルドはなかったです」と具体的に話してくれた。

しかし実際、四日市のまちなかでは少し事情が違っていたようだ。三重県内で唯一、30万人規模の人口を抱える四日市市の中心部・近鉄四日市駅前には、早くからマクドナルドもロッテリアも存在していたらしい。

諏訪町の自営業40代男性は、「僕の記憶では、マックとロッテリアは近鉄四日市駅前に同時にありましたね」と話す。

2000年当時の地図を見ると、近鉄四日市駅周辺には確かに両店の記載があった。

2000年頃の近鉄四日市駅周辺におけるロッテリアとマクドナルドの位置関係を示した地図
2000年発行の昭文社「四日市市地図」を参考に、筆者が記憶と取材内容を基に作成した図

近鉄四日市駅前を地図でたどる

では、近鉄四日市駅前では、マクドナルドとロッテリアのどちらの出店が先だったのだろうか。

気になり始めると、確かめずにはいられなくなった。調べたのは、市立図書館に所蔵されていた各年代のゼンリン住宅地図である。すべての年が揃っているわけではないが、追える範囲で年代を遡り、三交ビル周辺の記載を一つひとつ確認した。

1978年の住宅地図掲載の三交ビル1階には、「中央書房」や「喫茶ターキー」、「理容ロダン」といった多くのテナントの表記があるものの、ロッテリアの名前は見当たらない。1982年も同様だった。

ところが1986年になると、1階テナント欄にロッテリアの文字が現れる。1990年の地図でも、ロッテリア近鉄四日市駅前店はもちろん記載されており、その近く、後年マクドナルドとなる場所は、「喫茶エルクルーセ」となっていた。

住宅地図が語るまちの景色

整理すると、近鉄四日市駅前では、ロッテリアが1983年から86年の間に三交ビルへ出店し、その後長く駅前の一角を占めていたことが分かる。一方、マクドナルドが現在の場所に現れるのは1993年の地図からである。

このため、「実は四日市のまちなかでもロッテリアのほうが先だった」と結論づけようとした矢先、別の証言が寄せられた。

55~60歳前後の複数の人が、「マクドナルドは、現在シャンデリア広場(近鉄四日市駅東口)となっている場所の一角にもあった」と語ったのである。店内に客席を持たないカウンター主体の簡易的な店舗だったという。

現在のシャンデリア広場

証言を受け、あらためて住宅地図を確認し直したところ、1980年の地図には記載がないものの、1982年の地図には、かつて「近鉄パティオ」と呼ばれたその場所に、マクドナルドの名が確認できた。

つまり、マクドナルドはまず簡易的な形態で近鉄四日市駅東口に出店し、その後、1993年頃に北口の現ふれあいモールへと移転、この通りでロッテリアと並んで存在することになったのだ。

駅前からロッテリアが消えた日

では、近鉄四日市駅前のロッテリアは、いつ閉店したのか。

2006年の住宅地図には、名称を三交ボウルからビックボウルと変えたボウリング場とともに、ロッテリアの名がまだ残っている。
しかし2007年になると、三交ビルは存在するものの、ロッテリアとボウリング場の表記は見当たらなくなり、2008年には三交ビル自体も地図から消えた。

2010年、同所にキング観光サウザンド近鉄四日市店がオープンしている。駅前の風景が塗り替えられる中で、ロッテリアも姿を消していた。

ロッテリアのリブサンドとシェーキバニラ、ふるポテ
ロッテリアのリブサンド ポーク・シェーキバニラ・ふるポテ

最後にリブサンドを食べに行く

ロッテリア四日市日永カヨー店が、ゼッテリアへのリニューアル工事のため閉店したのが2025年10月11日。そして今年3月末には、全国のロッテリアがなくなる。「最後にリブサンドを食べたい」――。ロッテリアの流れを汲むゼッテリアだが、メニューは同一ではなく、「リブサンド ポーク」は、現行のゼッテリアには存在しないのだ。

向かったのは、鈴鹿ハンター店。店内には「レジに行かなくていいんです。お席で注文 お席にお届け」という案内があり、テーブルでモバイルオーダーをする。便利な世の中になったものだと思う一方で、これが最後のロッテリアなら、カウンターで注文すればよかったかもしれない、という気もした。

久しぶりに口にしたリブサンドとシェーキは、とても懐かしい味がした。

2026年1月時点のロッテリア鈴鹿ハンター店の外観

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