南部丘陵公園の南ゾーンの向かい側に、かつて多くの人の門出を見守ってきた結婚式場「ザ・パームガーデン グリーンヒルズ四日市」の建物が、今も静かに残っています。
2025年3月、波木町と采女町をつなぐ四日市鈴鹿環状線のバイパスが開通してからは交通量が増え、付近では渋滞が起こることも多くなりました。釆女町から笹川団地方面へ向かう途中、この結婚式場の前で車が止まり、荒れていく敷地が目に入るようになった人も少なくないと思います。
進まなかった再開発と消えた標識
結婚式場の門には、かつて開発予定標識が掲げられていました。
2024年6月から2025年5月までの工期が記されており、「いよいよ工事が始まるのだろう」と期待していた方もいたかもしれません。
しかし、バイパスが開通しても工事は始まらず、9月に訪れると標識自体が撤去されていました。どうやら当初の計画は中止になった可能性が高いようです。

結婚式のかたちが変わり、閉館が続く
コロナ禍で結婚式が思うように挙げられなくなったことをきっかけに、フォトウェディングや家族婚が広まり、「式をしない」という選択をする人が増えました。全国的に結婚式場の閉館が相次ぎ、四日市市内でも2024年に「ザ・グランドティアラSenju」が営業を終え、現在は解体工事が進んでいます。

暮らしの中で聞こえてくる地域の声
実際に近くに住む方にお話を伺うと、複雑な心境が見えてきました。
1. 計画が二転三転?
近隣の女性によると、「当初は介護施設ができると聞いていたが立ち消えになったようだ」とのこと。 以前の標識にあった事業者は、市内でスポーツジムや飲食店を展開する企業でしたが、具体的な動きが見えないまま計画が変わっている様子がうかがえます。
2. 深刻化する渋滞
バイパス開通は便利になった反面、周辺住民にとっては悩みも増えました。 「自宅周辺で渋滞が起き、移動時間が長くなった。あえて遠回りして旧道を使うこともある」という声も。
渋滞で車が止まる時間が長いため、どうしても荒れた式場跡地がドライバーの視界に入ってしまいます。「かつて華やかだった場所だけに、寂しさを感じる」という声は少なくありません。
ザ・グランドティアラSenjyuは四日市市の中心街にあり、跡地の利用の選択肢は多いのですが、この場所は中心街に比べると交通の便もいいとは言えず、人口も少なく跡地利用には様々な課題があると思われます。

自然豊かな南部丘陵公園の前に残されたこの建物は、今も多くの人の視界に入り込みます。かつての賑わいを知る場所だからこそ、地域の景観や安全の面でも、いつかまた新しい役割を持って生まれ変わる日を静かに願いたくなります。
残されたチャペルが語る静けさ
ザ・パームガーデン グリーンヒルズも、YouTubeでは「閉館した結婚式場」として紹介され、2024年頃にはすでに廃墟として扱われていました。
チャペルの鐘が鳴り、風船が空へ放たれていた頃の華やかな雰囲気を思い出す人もいるでしょう。チャペルやパーティールームの装飾は今も残っていますが、時の流れとともに色あせ、ここで式を挙げた人にとっては寂しさを感じる光景かもしれません。建物自体は築20年ほどと比較的新しく、倒壊の危険は高くないものの、不法侵入や放火といったリスクは否めません。
南部丘陵公園という市民の憩いの場の目の前にある施設だからこそ、地域の景観や安全を守る形で、新しい役割に生まれ変わる日が来ることを願うばかりです。
MinaSuki編集部では、今後もこの跡地の動きを追っていきます。 「工事が始まった」「新しい看板が出た」などの情報をお持ちの方は、ぜひ情報提供フォームよりお知らせください。


