近鉄四日市駅で、大きな荷物を持って2階の駅改札へ上がろうとした。普段は階段やエスカレーターを使うが、荷物があったためシャンデリア広場のエレベーターへ向かったのだが――。
動線の変化を実感した
乗ろうとしたエレベーターには、「使用中止」の表示があり、「よんまるテラスのエレベーターを利用してください」と案内されていた。
「えっ、あんなに遠いところまで行くの?」正直、そう思った。
そのとき初めて、近鉄四日市駅西側の動線が変わったことを「自分事」として実感した。それは、旧あすなろう連絡通路の利用が不可になる7月15日が半月後に迫った6月末のことだった。




旧あすなろう連絡通路を記録する
私は近鉄も四日市あすなろう鉄道も利用する。ただ、両「四日市駅」をそれぞれ起点として移動するため、両駅を乗り換えで利用したことが一度もなく、「あすなろう連絡通路」を歩いた経験もなかった。


長年多くの人に利用されてきた通り道でありながら、自分自身には縁のなかったこの通路。この機会に歩いて、閉鎖が迫った通路の様子を記録することにした。
私にとっては、この日が最初で最後の通行になったが、SNSでは、「長年お世話になった通路だった」「子どもの頃から当たり前のようにあった」「旅行、受験、通学、就職の時にも利用した」など、閉鎖を惜しむ声が見られた。
7月15日、かねてからの予告通り、近鉄四日市駅高架西側の旧あすなろう連絡通路は役目を終えた。現在は、よんまるテラス経由のほか、高架下東側横断歩道を利用するルートが案内されている。


7月21日に訪れると、これまで人が行き交っていた場所は閉ざされ、当然だが人の姿も見られなかった。


「この歩道橋、中は暑くないの?」
この体験をきっかけに、改めて「よんまるテラス」を見る意識が変わった。この「まるいやつ」は、今後市民にどれほど親しまれる存在になり得るだろうか。
近鉄百貨店四日市店11階のカフェ「サロン ド テ モロゾフ」からは、地上で見るのとはまた趣の違った上からの円形デッキの姿を眺めることができる。


この写真をMinaSukiよっかいち公式Xに投稿すると、普段より多くの人に見られ、リポストや「いいね」とともに、「この角度からは新鮮」といったコメントも寄せられた。人々の関心の高さがうかがえる。
「この歩道橋、中は暑くないのかな」という声もあり、実際によんまるテラスを歩いてみることにした。
実際に歩いてみると、よんまるテラスは屋根を備えた開放感のある構造で、直射日光を遮りながら、風が通る空間だった。しかし空調設備のない半屋外のため、外気温の影響を直接受ける。夏場に歩くと、日陰ではあるものの暑さは感じられた。
また、強風を伴う雨の際には吹き込みも予想される。天候によっては、歩行時に注意が必要になりそうだ。
駅前の変化が語りかけるもの
同テラスには、エレベーターやエスカレーター、車いすなどで通れるスロープが整備され、近鉄四日市駅前のバリアフリー面では大きな改善となった。
一方で、「以前の通路の方が近かった」「雨の日は心配」「急ぐ時には不便」といった声もある。
新しい施設によって便利になる人がいる一方、長年親しまれてきた場所がなくなることに寂しさを感じる人もいる。その受け止め方は、利用する人によってさまざまだ。
街は少しずつ姿を変えていく。完成形とは別に、その変化の過程を記録することは、案外大切なことなのかもしれない。



